靴を自作したい人へ〜始め方〜

こんにちは!趣味で靴作りやってますホッペです!

靴作り記事の1回目と言うことで、靴作りの勉強方法について投稿します。

「靴作りをやってみたいけど始め方が分からない」という人のために道案内できるような記事にしたいと考えています。

まず私の靴作りに関する遍歴についてですが。

  • 靴修理店での実務経験が約2年
  • 靴学校(夜間コース)で約1年学び
  • その後何やかんやあって
  • 今は趣味で細々と靴作りを楽しんでいます

腕前はほぼ初級レベルです。(製造に関しては)

なので、基本的にはプレ入門の方向けに発信していきたいと考えています。

ホッペくん
ホッペくん

よろしくね!

靴作りについてはいろんなバリエーションで勉強してきました。

今回は実際に私が実践してきた方法をご紹介し、それぞれのメリット・デメリットなども紹介できればと思います。

具体的な作り方に関しても今後、記事にしていきたいと考えていますので乞うご期待です。

入門者が意識しておいた方がいいマインド

クラフト系の趣味がある人や、学習経験のある人は読み飛ばして構わないのです。

物作り自体、経験の無い人は押さえておいた方がいいマインドがあります。

  • こだわりすぎない
  • とにかく手を動かす(出来る所から)

このマインドがとても大事だと考えています。

ハンドメイドに限らず何でもそうだと思いますが、初めはうまくいきません。

独学の場合、ミシンなど環境も整えることも難しいです。

なのでまずは手を動かし始める事。楽しみながらやる事が1番重要です。

小さく始めて、継続しながら環境を整えたり、本格的な製法に挑戦していきましょう!

靴作り勉強方法は色々ある

以下が、私が経験してきた勉強方法です。

  1. 本を買って靴作りを学ぶ
  2. YouTubeで靴作りを学ぶ
  3. TwitterなどのSNSでコミュニティーに参加する
  4. 靴学校に通う
  5. 靴製造の仕事につく
  6. 修理店に勤める

1〜3は独学スタイルで、自分で手探りしていく感じです。

4〜6はハードル高めで、お金もかかります。

私の場合は、これらを組み合わせてやっていました。

ホッペくん
ホッペくん

時系列で言うと、修理をやりながら、1〜3で独学して、4(靴学校)へ通って、製造の仕事についてみたが、なんか思ったんと違ったので、靴は趣味にすることにしましたw

経験ベースですが以下がそれぞれの具体的な特徴です。(感想含む笑)

本を買って靴作りを学ぶ

私はこの本とYouTube、Twitterなどで情報を仕入れて1足目を作りました。

紳士靴を仕立てる

実際に作ったのがこちら。

メリット

  • 「本格」紳士靴の製法が学べる
  • 1から10まで書かれてるので1冊で学習が完結する
  • 全部写真付きフルカラーで描かれている
  • 一流靴学校のカリキュラムのテキストバージョン

デメリット

  • プラモデルなどの説明書が苦手な人には不向き
  • 行間の作業がイメージできない
  • 本格=手間が一番かかる方法で書かれているので100%再現しようとするとかなり時間がかかる
    ※入門者には尚更

ちなみにミシンは、平台ミシンと靴修理店にはどこにでも置いてある八方ミシンを使いました。

YouTubeで靴作りを学ぶ

個人的には上記の本でベースを学びつつ、実際に手を動かしイメージしずらい部分はYouTubeで探してみるのがおすすめです。

ホッペくん
ホッペくん

本とYouTubeでは作り方が違ったりするから、混乱しないようにね!

以下、おすすめのYouTubeです

足と靴の学校921 村山孝太郎さん
靴作りについてかなり詳しく体型的に解説してくれてる。
上記の「紳士靴を仕立てる」と合わせてみるとかなり勉強しやすいです。
2022年6月時点では型紙についても動画あり(まだ完結してないみたい)。今後の更新が楽しみです。

Kazuma Nishimura(KUROKIO)さん
個人的に、一番見てて楽しいです。そんな作り方あるんだ!あんな道具あるんだ!など新しい発見やアイディアを沢山頂けるチャンネルです。
KUROKIOさんは靴教室もされていてオンラインでも受講できるそうです。参考までに。動画のBGMとか着てるTシャツとか全部がLOVEです。


かわぐつのケンさん
もともと建築分野で研究をされていた経歴をお持ちだそうで、研究者マインドがビシビシ伝わってきます。常に新しい製法や、素材にチャレンジしそれを発信してくださっているので見てて飽きないです。オリジナルシューズの販売も始まったそうで一度は足入れしてみたいものです✨
ケンさんのブログ(革靴に関すること。)もとても参考になります。

モリジンさん
上記のかわぐつのケンさんと同じ人。靴以外のコンテンツも豊富で面白いです。靴に関しては再生リストから探すとまとまっています。

くすみさん
作業系のチャンネルではありませんが、靴に関する色んな情報を仕入れることが出来ます。個人的にはお声が耳に心地よく、作業中、洗い物の時などにおすすめです。

靴ラジオさん
靴職人の志田さん、栗山さんによる靴談義のチャンネル。ブーツ好きにはたまらないです。中には作業動画もあるので、職人の作業場が垣間見えテンションが上がります。

他にも、紹介したい人がたくさんいますが今回はこの辺で。

TwitterなどのSNSでコミュニティーに参加する

SNSで靴作り仲間を作っておくのもおすすめ。

単純に色んな情報が手に入りますし、何より一人で作業するより楽しいです。

以下が、おすすめのTwitterアカウントです。

ブン(斑鳩文)MSYさん
TomiMSY参謀さん
MSY(Make Shoes Yourself)ブログ
MSYとはMakeShoesYourselfの略で、靴作りを新たに始めたい方向けの情報などを発信してくれてます。MSYのお二方を中心に「もくもく会」のイベントも開催してくれてます。

よめせんさん
嫁専(よめせん)がネーミングの由来なのかなと個人的に思ってます。フィッティングにこだわり抜いた靴を作られています。ユーチューブも大変参考になります。靴をつくる人 ~A Shoe maker’s Lo

ノグチタツヤ/ LIGHTBULBさん
義肢装具士という物作り×医学に関する国家資格をお持ちで、とにかく男前です。質問箱で「知識があれば宇宙を創造することもできる」と言うお言葉が心から離れないです。

ZinRyuさん
靴に関して有料級の情報を発信されてます。個人的には靴設計(木型)のお話や、革に関するお話が興味深くヨダレが出ます。ブログもかなり参考になります。

こまつ@毎日靴ブログさん
現役の靴修理屋さんです。靴修理の現場のリアルを交えながら本場イギリス仕込みの情報などを発信してくれます。ライトファンからマニアまで守備範囲が広くブログも楽しく読めるのでおすすめです。

など他にもたくさん紹介したいですが今日はこの辺で。

靴学校に通う

学校に通うというのも一つの手段です。

メリットでメリットについては以下のような感じ。

メリット

  • 一番体型的に学ぶことができる
  • 実演を見ることができる
  • 質問があればリアルタイムで質問できる
  • ミシンなどの設備が整っている

デメリット

  • 月謝がかかる
  • 定期的に通う必要がある
  • 作業の進め方が教室によって異なるので自分に合わなければ苦しくなる

まとめると

「挫折しないぞ!」と言う方は教室に通ってもいいかもです。

「プロの靴職人になりたい」と言う人は靴学校へ行くべきです。(経験上、未経験で就職するのは難しいかも)

金銭面の補足情報として、教室によっては月謝に材料費が含まれているところや刃物やハンマーなどの細々とした道具も貸してくれる所もあります。

これらの諸経費は独学では必ずかかってきますので総合的に判断した方がいいです。

また、本格的に通い始める前の体験コースや、単発で終わるワークショップをやっている所もあります。

検索すると意外と色々出てきますので比較検討するのがいいでしょう。

以下に特徴的なものをいくつか紹介します。

Benchwork Study
こちらは①普通の教室、②単発のワークショップ、③オンライン教室、④動画教材などさまざまな学び方ができるところが魅力です。

東京都立城東職業能力開発センター 台東分校
こちらは料金が圧倒的に安いです。

ただし、こちらは結構ハードル高めです。

こんな人におすすめです。

  • 東京都が運営する職業訓練校(就職を目指すための学校)
  • 全日制(平日のフルタイム)
  • 入試(学力テスト、面接)が毎年1回行われ、合格したら晴れて入校
  • 靴のプロになりたい人向け

ちなみに台東分校では在職者向けの夜間講習も行っています。

こちらは、講座単位の応募制になっていて1講座あたり5〜6000円くらい。

入試はないので応募が通れば受講できますが基本的には皮革関連業界の在職者むけの講座のようです。

詳しくは問い合わせてみてください。

私はこの夜間講習のデザインと木型以外の講習を受けました。

具体的な内容に関しては守秘義務のためお伝えできませんが、

各講座ごとにその道の現役プロフェッショナルの方が講師を務め頼りになります。

講座の内容以外の質問にも快く乗ってくれますので気軽に質問できると思います。

また職員の方もいい人が多いので気になる方は問い合わせしてみても良いかもしれません。

〜おまけ〜

最後に有名所(プロ向け)を2つ

サルワカ・フットウェア・カレッジ(@浅草)入試があるらしい
エスペランサ靴学院(@大阪)入試については確認取れませんでした

両方とも日本を代表する靴学校です。

業界ではギルド(サルワカ)出身ですって人がいたら「スッゲー」ってなる場合もあります。

他にも色々ありますが今回はここまで。

靴修理店に勤める

未経験だけど趣味以上のレベルで靴に携わりたいとか、

製造までいかなくても販売ではなく作業がしたいという人は

靴修理店に勤めながら独学または、台東分校の夜間コースに通う方法もあるかと思います。

ここで注意点がいくつかあります

  1. 修理店では靴製作の全容を知ることが出来ない
  2. 収入や労働時間の条件は良くない
  3. 店によっては合鍵など靴以外の作業も発生する

1の補足説明を少しだけ

駅ビルや百貨店に入っているような一般的な靴修理店では主に靴底の修理に特化していることが多いです。

なので靴作りのように、一枚の革から靴の形にすると言う作業は勉強できないと考えておいた方がいいです。

では靴作りを勉強する上で修理店に勤めることのメリットを以下でまとめます。

  1. 靴底周りに関しては間違いなく詳しくなる
  2. 廃棄の靴は宝
  3. グラインダーが使える

2.廃棄の靴は宝 について補足

たまにお客さんから「これいらないから捨てといて〜」みたいな廃棄の靴が出てきます。

私はこれを基本的にバラバラに分解してました。

これは、1冊の本、10本のYouTubeより価値があります。

まず、自分以外が履いた靴の中身が見れること。

そして分解すると理解できるのですが、物作りって本当に正解がない。

メーカーによって全然作り方が違う。

皮のエイジングの仕方、靴の傷み方、型崩れの仕方からも色んなことが読み取れます。

これらの情報は靴を作っていく上で非常に参考になるし、

色々考えられるようになるので非常に楽しいです。

3.グラインダーが使える について補足

グラインダー(フィニッシャー)というマシンがありまして

基本的には靴底を削る機械です。

もしも、今後本職として靴に携わるのであれば

この機械の経験があったほうが何かと有利だと思います。(特に底付け)

木型を削るときに使ったりしますし。

と言ったように、修理のお仕事は靴作りに直結しないですが

やっておけば靴作りに役立つ情報が得られるという話でした。

もちろん、入社したから誰かが教えてくれることはなく

自分で意識的にアンテナはってたら気づけることはたくさんあるという感じです。

また、お店によって経営方針が違いますので出来ること出来ないことは

変わってくるかと思いますが参考になればと思いこのトピックを設けました。

まとめ

ここまで、長々とお話してきましたが、まとめるとこんな感じ

独学で行くぞ!→本、YouTube、SNS全部使って手探りでやっていきましょう。
       興味が出てきたら単発のワークショップに行ってもいいかも。

趣味として本格的にやるんだ!→思い切って教室に通うのもいいかも!

プロの職人になりたい!→然るべき学校に行った方が吉!

と言うお話でした。

私の経験ベースにお話を進めてまいりましたが、少しでも参考になれば幸いです。

物作りには「正解」がありません。それは学ぶ道筋や自分の人生において

どのように物作りに関わっていくのかという点でも一緒だと思います。

全てが手探り、それが楽しいと思ってます。

ある研究では、一定時間一つの事に集中する時間を作ることで脳のストレス耐性が強化されるとも言われています。

この記事が皆さんの「幸せ手探り物作りライフ」のきっかけになれば嬉しい限りです。

Hoppe

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